こんな鞄が作りたい。
先日、浅草にある「世界のカバン博物館」というところに行ってきた。
スーツケースなどで有名なエース株式会社が作った博物館で、なんと無料で古今東西の鞄を見ることができる。
ここで紹介するのは革鞄メインだけど、もちろん色々な素材の鞄がたくさん展示されている。
土曜日に行ったけどガラガラでゆっくり見て回れた。
たくさんあった革鞄の中からこれはスゴイ!こんなの作りたい!と思ったものをご紹介する。
※モニターによっては全部表示されないのでクリックして拡大して見てください。
まず一番オサレだなぁと思ったのがこれ。
ジャガード織りのベルベットと同系色の革のコンビネーションバッグ。
より大きいものも。
革鞄というくくりではないけれど、個性的なジャガード織りの生地を上品な色の革が額縁のように引き立てている。
今では珍しい口枠型なのもイカス。こんなの持っていたらどこ行っても大注目の的だよなあ。一体どういう人が使っていたのだろうか。
イタリア製らしいけどどこのメーカーかはわからなかった。
そんでおいくら万円なんでしょうねコレ。
こちらはValextraの両冠ブリーフケース(というらしい)。持ち手の両側にフタが付いている珍しい双胴のバッグ。
見るからに質の良さそうな革に一部の隙もない仕立てといった佇まい。これを持ってビシッと決まる人は限られるでしょうねぇ。
そんでおいくら万円するんでしょうねコレ。
続いてこちらはイギリスはタナークロール製の口枠型バッグ。デカイ!スゴイ!ド迫力!重そう!
「ほぁぁすげぇえぇふぉえぇええ」
「おぉっぉお手縫いだぁあぁあ」
とか言いながら色んな角度から眺めましたハイ。
ガッツリ手縫いであります。
何に使うんだろうと思ったらハンティング用具を入れてたんだそうで。個人的にはインディ・ジョーンズ博士に持って欲しい。
タナークロールのホームページに行っても今はこういうタイプは扱っていないみたい。オーダーあったら作れるのかしらん。
んで一体全体おいくら万円するんでしょうねコレ…。
こちらはイタリアのFranziというメーカー。不勉強にしてこのメーカーは知らないんだけどいい仕事してますねえ。
革がみずみずしいほどブルンブルンしていて、作られてから50年も経っているようにはとても見えない。
あと100年は余裕でもつでしょう。
見よこの持ち手!これを素手で破壊できる人類はおらしまへん!先に金具が壊れまんがな!
なおかつ左端のテカっているところがお尻みたいでセクシー。
持ち手の他、コーナーパッチなども手縫いでガッシガッシと縫ってある。
依頼主と職人と革の魂のぶつかり合いのようなものを感じるスゴイ鞄。
説明に現代ではもう作れないとあるけど、確かになあ。作れる職人はいてもウン十万円はしそうでかつこんなゴツくて重いかばんを欲しがる人はあまりいないし、この品質の革も今ではなかなか手に入らないし、ああもったいない。
だからこそ作ってみたい鞄でもある。
ほんでおいくら万円するんだろ…オーコワ。
日本の職人も負けてはいませんよ。
いわゆる学生鞄の原型とも言える書類入れ。渋いオジサマが持ったら絵になるねえ。
綺麗なステッチに、ビシッと入ったネン、ベルトループのアンコなど職人の心意気が感じられる。
手揉みをすることによって革が柔らかく、傷もつきにくくなりより実用的になるんだろうなー。
これも日本製。ハット入れか何かかな。おそらく総手縫い。フタの上部は駒合わせ縫いかな。
こんなのが部屋にあったら楽しいだろうな。
【番外編その1】
たぶん船に積むためのバカでかいトランク。大人二人くらいはすっぽり入る。
恐ろしいことに全部手縫いっぽかった。ん~どんな旅をしたんだろうねえ。地球を何周もしたような貫禄。
【番外編その2】
革じゃないんだけどインパクトあったこれまた船用のバカでかいトランク。
中から「WRYYYYYYYYYYYYY!!!」と聞こえてきそう。
K.SAIONJIと言えばそう、西園寺公望のこと。やはりやんごとなきお方の持ち物は半端じゃない。
そもそもどうやって運ぶんだこれ…というレベル。
番外編はさておき、これらの鞄はどれも持ってワクワク、使ってドキドキ、部屋に置いておいてもウキウキするようなものばかり。
想像だけど作った職人さんも楽しく作業をしてたんじゃないかな。完成した時の充足感は何者にも代えがたいと思う。
そんな鞄が作りたい。
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